「何もしない」を上手にやるための持ち物リスト
「何もしない」は、意外と難しい
「何もしない時間が大事だ」と、いろんな本やブログで言われている。僕もそう思う。実際、何もしない時間を取れた日は、心の余裕がまったく違う。
でも、いざ「何もしないぞ」と決めて椅子に座ってみると、3分も持たないことが多い。
スマホに手が伸びる。テレビをつけたくなる。冷蔵庫を開ける。何かしないと落ち着かなくて、結局スマホをいじって時間を消費して終わる。
「何もしない」を本気でやろうとすると、想像以上に難しい。意志の力だけでは続かない。実は、ちょっとした”道具”が必要だった。
なぜ”持ち物”が要るのか
何もしない時間に持ち物が要るというのは、矛盾しているように聞こえる。
でも実際は、「何もしない」を成立させるために、外部の刺激から身を守る最低限の装備が要る。スマホが視界にあれば触ってしまう。テレビが見える位置に座れば見てしまう。何もない椅子と何もない机だけだと、すぐ立ち上がりたくなる。
だから、”何もしない時間を保護してくれる物”が必要になる。それが、これから紹介する「何もしないキット」だ。
道具と言っても大げさじゃない。ほとんどが家にあるもの、あるいは100円で買えるもの。でも、これだけで「何もしない」の難易度がぐっと下がる。
「何もしない」のための持ち物リスト7つ
1. お気に入りのマグカップ
何もしない時間のお供は、たいてい温かい飲み物だ。コーヒーでも、お茶でも、白湯でもいい。
「自分用」と決めた、お気に入りのマグカップを一つ持っておく。手に取ったとき、心がふっと落ち着くようなもの。これが、何もしない時間の入り口になる。
新品である必要はない。もう何年も使っている、ちょっと欠けたカップでもいい。「これで飲むと落ち着く」と思えるものなら、それが正解。
2. ブランケット、または膝掛け
体が冷えると、人間は集中も休息もできなくなる。何もしないつもりでも、寒くてそわそわしてしまう。
膝掛けを一枚、何もしない場所(ソファや椅子の近く)に常備しておく。ふっと座ったときに、すぐにかけられる。これだけで、体の落ち着きがまるで違う。
冷房や暖房の効きを気にしすぎなくていい。膝掛けひとつで、体感温度の細かい調整ができる。
3. 文庫本一冊
「何もしない」つもりが、本当に何もできない人(僕も含む)にとっては、文庫本が一冊あると安心する。
読んでも読まなくてもいい。ただ、視界の隅に「何かあれば本を開ける」という選択肢があるだけで、退屈に飲まれにくくなる。
選ぶ本は、エッセイや短編集がおすすめ。長編小説だと、つい先を読みたくなって”何もしない”から外れてしまう。短く切れる本がいい。
4. ノートとペン
書くという行為は、意外と”何もしない”と相性がいい。
頭に浮かんだことを、ぽつぽつとノートに書く。文章にならなくていい。単語だけでも、絵でもいい。書くというより、頭の中のものをそっと外に出す感覚。
ノートは、罫線のないものか、ドット方眼のものが書きやすい。ペンは、書き心地のいいお気に入りを一本。
5. アイマスクまたは目を休めるためのもの
目から入ってくる情報を遮断すると、頭の中の騒がしさが嘘のように収まる。
数分でいい、アイマスクをして椅子にもたれる。それだけで、不思議と心が静まる。瞑想と呼ぶほど大げさじゃない。ただ、視界をオフにする。
アイマスクが大げさなら、ホットアイマスクでもいい。目元を温める習慣は、それ自体が”何もしない”を支えてくれる。
6. アロマや、好きな匂いのもの
匂いは、空間の質を変えてくれる。
アロマディフューザーがなくても、ハンドクリームを少しつける、お香を1本焚く、コーヒー豆の袋を開けて香りを嗅ぐ。匂いの記憶は、心を切り替えるスイッチになる。
「何もしない時間用の匂い」を一つ決めておくと、その香りを嗅いだだけで気持ちがゆるむようになる。条件反射で”何もしないモード”に入れる。
7. タイマー(できれば、スマホじゃないもの)
「何もしない」を恐れずにやるためには、終わりが見えていることが大事だ。
15分でも20分でもいい。タイマーをかけて、終わったら戻ればいいと知っていると、安心して何もしないでいられる。
スマホでタイマーをかけると、画面を見たついでに通知をチェックしてしまう。だから、可能ならキッチンタイマーや砂時計を使う。100円ショップで十分なものが買える。
「持ち物」を一箇所にまとめておく
これらの道具を、家の中の一箇所にまとめておく。専用の小さなカゴやトレイに入れておくと、便利だ。
「何もしないコーナー」と呼べる場所が家にあると、その場所に行くだけで切り替えができる。リビングの一角、ベランダ、寝室の窓際。どこでもいい。自分が落ち着ける場所に、キットを置いておく。
座ったときに、視界にスマホやテレビが入らないことが大事。代わりに、上に挙げたキットが目に入る配置にする。視覚から誘導されると、自然と何もしないモードに入れる。
「キット」を持っていても、何もしない時間は短くていい
ここまで偉そうに書いたけれど、僕自身、何もしない時間が長くは続かない。
15分が限界の日もある。5分しかできない日もある。それでもいい。「短くてもやる」が大事で、「長くやらなきゃ」だと続かなくなる。
5分の何もしない時間が、毎日積み重なれば、月に2時間半。年で考えれば30時間以上の”自分に戻る時間”になる。決して少なくない。
完璧な何もしない時間を目指さない。今日の自分にできる範囲で、ちょっとだけ椅子に座る。それで十分だ。
持っていかない方がいいもの
逆に、何もしないキットに入れない方がいいものもある。
スマホ
これは外す。何もしない時間を保護するためには、視界にも手の届く範囲にも置かない。別の部屋に置くのがベスト。
タスクリストや手帳
書く道具としてのノートは入れていいけれど、ToDoリストや手帳は入れない。やるべきことが目に入ると、頭が”作業モード”に戻ってしまう。
お菓子や食べ物
何かを食べながらだと、感覚が”食べる”に向かってしまう。飲み物だけにする。お菓子は、何もしない時間の前か後で。
完璧を求める気持ち
「ちゃんと何もしない時間を過ごさなきゃ」と気負うと、それ自体がプレッシャーになる。完璧な静けさを目指さない。多少ソワソワしてても、構わない。
まとめ:「何もしない」は、ちょっとした準備で上達する
「何もしない」を上手にやるためには、意志の力じゃなくて、環境の準備がいる。
お気に入りのマグカップ、膝掛け、文庫本、ノート、アイマスク、アロマ、タイマー。たったそれだけで、何もしない時間が驚くほど続くようになる。
道具を揃える、というより、自分を”何もしないモード”に誘導する仕掛けを作る。それが、忙しいパパが日常の中に静けさを取り戻すための、現実的な方法だと思う。
完璧じゃなくていい。今日の夜、お気に入りのカップにお湯を注いで、5分だけ椅子に座ってみてほしい。それだけで、明日の朝の自分が、少しだけ整っているはずだ。
